Dream Art Laboratory


理性と感情、潜在意識の壁 【親の言葉は子供の心に響かない】

親から子供への悪影響 親子関係の悩みと不安解決方法

心や感情は正当な理屈では動かせられない

なぜ親が、大人が、あるいはスクールカウンセラーのような専門家が心を尽くしても、子供の心に言葉が届かないのか?
あるいは逆に反発を受けてしまうのか?

思春期(中学生・高校生前後)の子供は、非常に心がもろく繊細です。
それでも「いつか私の言うことを聞いてくれる・・・・」と親は願います。
そして、 理性的で大義名分もある「正当なアドバイス」を何度もしてきたと思います。

しかし、それを聞き入れる余地が子供にはありません。
聞いたとしても、とりあえず「うるさいから」と言うことで表面的に聞いていたりします。
心に響いていないことがほとんどです。

人間はどこまでいっても感情優位の生き物です。
ましてや、すごく繊細でもろく傷つきやすく、メンタル面でトラブルを抱える子供は、マイナスの感情も増幅しています。
ありがたいアドバイスも、そのマイナスの感情の壁に跳ね返されてしまいます。

逆にその言葉こそが、マイナスの感情をさらに広げてしまいかねません。
子供にとってよかれと親が思っていること、或いは絶対やっておいた方がいいと大人が思えることでも、子供にはそんな理屈は通りません。
かといって、親が感情的に焦ったり追い詰めたり叱ったりすればするほど、親子関係の溝は修復不能に思えるくらいに広がっていきます。

子供の混乱している脳は溺れている脳と同じ

不登校、引きこもりの子供(準不登校・準引きこもりを含む)は、自分の前にそびえ立つ壁の原因をほとんどを、はっきりとは認識していません。
大人だったら、なぜ自分がダメなのか、できないのか、経験と知識とともにわかってきます。
自分で調べて、どんな症状なのか、神経症なのか認識し、治すための主体的行動を取れます。

しかし、子供は感情的に飲まれやすく、脳が混乱を起こしやすいため、訳もわからずただ溺れてもがくだけなのです(神経症が原因の不登校もあります)。
それが苛立ちや抑うつとなったり、さらなる精神的混乱を引き起こしてしまう原因でもあります。
精神的苦境に訳もわからず、ひたすら耐えるか、無意識に抑圧して、嵐が通り過ぎるのをひたすら待つ。
だが、ますます状況が悪化していることに怯えきって、何にもできなくなってしまいます。

混乱の渦の中に呑み込まれて、自己を客観視することができず、不安と焦りと苛立ちに常にさいなまれています。
悪い感情ばかりの海で溺れて、近くにボートも浮き輪も何もない状態なのです。
だから、助かる方法があれば、それこそ徹底的に全精力をかけて、そこに逃げ込もうとします。

大人から見たら、ただのひきこもりだったり、ネット中毒、ゲーム中毒にしかみえないことでも、子供には逃避先としてこれしかあり得ない状況なのです。
そんなことだから、自分で克服しようという主体性も持てないのです。
リストカットなどの自傷行為も自殺するためにやるのではなく、なぜかやってしまうというのもそれです。
拒食症・過食症もそうです。

不登校・ひきこもりが問題ではなく、それを引き起こす神経症的要素が問題

子供の行動には必ず原因があります。
ただ親が気づかないだけ、教師が気づかないだけの話です。
そこでひきこもりをやめさせればうまくいく、学校に再び通わせれば丸く収まるという目先だけを考えて、対策をとってしまうと、のちのち大きなしっぺ返しが来てしまうことになります。

不登校やひきこもりの問題は、その現象を解消させれば解決ではなく、なぜそうなったかの根本原因を解決せずして、未来はありません。
不登校じゃなくなっても、出社拒否症になったら、後者のほうが遥かにダメージが大きいのです。

無理に親の事情で(親側としては正当なものですが)追いつめてしまうと、ますます子供に逃げ場がなくなり、親の力でも愛の力でも対応が不可能になります。
親のありがたいアドバイスやアクションはすべて的はずれか、裏目に出ます。
子供の心には届かないどころか「どうせ誰もわかってくれないんだ」と反発を招くだけになります。
親の子供への働きかけがどんどん逆効果に陥るマイナスのスパイラルに嵌ります。

感情の抑圧処理と無意識の浄化が脳の混乱を止める

だから、感情の処理、無意識のレベルから対処していく必要があります。
子供の混乱の原因は、必ず何処かに潜んでいます。
いじめ、からかい、親の教育方針の歪み、教師との軋轢、人間不信となるトラウマ、これらの他にもたくさんあるでしょう
そして、その複合要因かもしれません。

メンタル面で非常にもろくなっている子供の無意識的抑圧は、すさまじいものがあります。
それが顕在意識に悪さをするからこそ、常に苦しく、悪い感情に呑まれていってしまうのです。

まず脳の混乱を収めるには、悩みとなっている種を自覚する必要があります。
これはカウンセリングのような理性的対話では、わかるようで実のところわかりません。
やらないよりやったほうがいろいろと学ぶことができます。
とはいっても、過去の出来事は消えません。
原因を知覚したとしても、無意識的抑圧の処理と解放をしてはじめて、心に余裕がもたらされます。

心に余裕がうまれたり、ホッとした気持ちになった時、はじめて、子供は大人の話に耳を傾けることができます。
逆に言えば、余裕が無い状態では何を言っても無理だということでもあります。

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発言者:岩波英知

1946年栃木県生まれ 東京と大阪で世界最先端の独自の脳内プログラムを開催。 誰ももたらすことができない決定的な脳内体感を体験した多くの有名人や芸能人、医師や経営者にファンが多い 。


自著(奇跡の脳覚醒)より抜粋

脳の魔術師、鬼才と呼ばれる心理脳内コンサルタント。 若い頃より人間の計り知れない可能性に興味を持ち、脳に関する独自の研究を行う。 そして、誰も到達できない脳覚醒技術の開発に至る。 その技とノウハウは世界一と称されており、岩波の脳覚醒セッションには、その凄さと評判を聞きつけたクライアントが世界中から駆けつけている。 また、その技術のみならず、岩波の言葉は多くの人に大きな刺激を影響を与えている。


執筆者・編集者:Dream Art Laboratory 担当スタッフ

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